かつて、90年代に日本のライフセービング界に大きな歴史が刻まれました。それはライフセービング世界選手権での日本人がメダルを獲得したという歴史です。その第1号はなんと西浜SLSCの深山元良さん。
Rescue90(ドイツ大会)で2kmビーチランでの金メダルです。さらに、同じRescue90ビーチフラッグスで銀メダル、ビーチスプリントで銅メダルと、とんでもない経歴の持ち主です。深山さんは私の大学時代のコーチでもあり、西浜で警備長を務められた大先輩です。
今でも忘れません、私が大学2年生になってようやく名前を覚えていただいた頃、本当に丁寧にビーチフラッグスを教えていただきました。
当時の深山コーチの言葉はこうです。
一本目を走り終えた学生に(私達)
「説得力がないなぁ…、お前たちの走りには説得力がない。」
「夏の砂浜を走るライフセーバーの走りは説得力が求められる。なぜなら、海水浴に来たお客さんに安心感を与えるものがライフセーバーの重要な役割です。」
そして、二本目
「じゃ行くぞ!」
普通なら「よーいドン!」しかし、深山コーチは…
「よーい、レスキュー!」
正にこれこそがライフセーバーのトレーニングであり、ライフセービングのコーチだと思った。
未だに選手でもあり、指導的立場でもある私自身も深山さんのような常にライフセービングスピリッツを兼ね備えたライフセーバーでありたいと思います。
植木将人